仕事を知る(躯体)

躯体

建物の基礎、柱や梁、床や壁といった構造を担う部分をつくる工事です。

鳶工事

鳶(とび)は、建設現場の仮囲いの設置、足場の組み立て・解体、鉄骨の建方、PCa(プレキャストコンクリート)の取り付けなど、建設現場に最初に入り、最後まで活躍する。建設現場では、高所を華麗に動き回ることから鳶(とび)と称されている。

土工事・コンクリート打設工事

土工は、大型重機による掘削(根切)、埋め戻し、盛り土といった土工事や、コンクリート打設工事などを担当する。

杭・基礎工事

杭・基礎工事は、建物やインフラといった地上の構造物が、その機能を十分に発揮するための土台をつくる工事である。この土台をしっかりさせるために、現場ごとに特性の異なる地中に鋼管杭や既成コンクリート杭、場所打ちコンクリート杭といった基礎杭を設置する。基礎杭の埋設作業は、作業員による作業と杭打ち機による作業に大別され、主に一般作業員、建設機械運転従事者(オペレータ)、溶接工が働く。

山留工事

山留工事は、構造物の基礎や地下部分を構築するために地盤の根切を行う際に、周辺地盤の崩壊を防止するために行う工事である。根切周面に設け、側圧(土圧や水圧)を直接受ける壁を山留め壁と呼ぶ。

測量・墨出し

測量とは、建築や土木工事に先立って「長さ」、「角度」、「高さ」という3つの要素を測ることで、その場所の広さ(面積)や大きさ、位置(座標)を正確に計測すること。
現在では、測量データの多くはデジタル化されており、現場でデータを取得するだけでなく、地理情報や防災に利用しやすいように加工が行われる。このため測量技術に加えて、データ解析やソフトに関する知識も求められる。
墨出しとは、建設現場内部に実寸の設計図を描く作業である。現場に図面上のラインを落とし込んでいくことで、柱や壁などをどこに配置するのか、基準となる線を引く。位置を決める作業となるため、高い精度が要求される。

型枠工事

鉄筋コンクリート造(RC造)の構造物は、コンクリートを構造物の形の「枠」に流し込み、固まらせてつくる。このコンクリートの形を決める枠を「型枠」と呼び、その「型枠」をつくる仕事が型枠工事である。
対象となるのは建物だけでなく、橋やトンネル、ダム、防波堤など、コンクリートが用いられるものすべてが、この工事の対象となる。

鉄筋工事

鉄筋コンクリート造(RC造)は、ビルなどの建物をはじめとして橋梁、トンネル、高速道路、地下鉄に至るまで、私たちが生活し、行動する基盤になるほとんどの構造物に用いられている。このRC構造物の中には、骨組みとなるかご状の鉄筋が埋め込まれている。この鉄筋を組み立てるのが、鉄筋工事である。
鉄筋工事の舞台は工場と現場で、仕事は工場から始まる。まず図面から使用する鉄筋の種類や数量を読み出し、工場内で鋼材を切断し、曲げ加工を行う。そしてそれを工事現場に運んで、図面に従って組み上げる。完成後は外から見えないものの、構造上極めて重要な工事である。

鉄骨工事

鉄骨工事は、鉄骨造(S造)の建物やインフラといった構造物の躯体を据え付ける工事である。人間に例えると正に「骨」にあたる鉄骨は、設計図書に基づき、鉄骨生産工場で切断、穴あけ、溶接などを経て、鋼材から建築部材としての柱、梁などに加工される。その後建設現場に搬入され、構築される。鉄骨の躯体を組み上げる工事を「鉄骨建方」とも呼ぶ。
超高層ビルや橋梁に代表される日本の鉄骨建築技術や橋桁の製作・架設技術は、世界屈指と評価されている。

耐火被覆工事

耐火被覆工事とは、鉄骨造(S造)の柱や梁といった骨組みを火災時の熱から守り、変形・倒壊しないよう耐火性・断熱性の高い材料で覆う工事である。工法としては耐火材を吹き付ける工法や耐火板を巻き付ける工法などがある。

セメント・生コン

現場で用いるセメントやコンクリートをつくる仕事。
コンクリートは、かつて建設現場で材料を配合し、練り合わせてつくる「現場練り」が主流であった。しかし品質のばらつきや作業の手間から、現在では使用用途に応じて工場で正確に配合された「固まっていないコンクリート」(生コン/レディーミクストコンクリート)をミキサー車で現場に搬入するかたちが主流となっている。

運送・クレーン

運送とは、建設現場に建材をトラックで搬入する仕事。クレーンは、搬入された建材を建設現場で吊り上げる重機である。

解体・斫り工事

解体工事は不要となった構造物を取り壊し、更地にする工事である。解体工事の現場では廃棄物となった建設資材を再資源化できるよう丁寧な分別が行われており、資源循環型社会の構築に大きな役割を果たしている。
解体工法は手作業が基本であるが、超高層ビルなどの特殊な解体工事には、対象物に応じたさまざまな工法が開発されており、高い技術が必要となる。機器の進歩した日本の解体工事は世界トップレベルの技術力を誇る。
都市の再開発、施設の更新や統廃合、空き家対策など、今後益々必要とされる仕事である。
また、斫(はつ)り工事はコンクリートや石の表面をのみやたがねを用いて削り取る工事である。

お問い合わせ

全国利友会合同事務局

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